味の箱船

Chidekuni
食材の特徴
30cmほどの細長い黄色いニンジンで、日本国内に現存する黄色系東洋ニンジンは、沖縄の島ニンジンのみと言われています。
沖縄では、「黄色い大根」という意味で、チデークニと呼ばれています。
加工方法について
西洋ニンジンと比べると、味が薄いと言われていますが、風味豊かで、炒めもの・汁物・サラダなど、様々な料理に適しています。
歴史的、食文化的位置づけ
御前本草という1832年に編纂された本草学(中国で発達した医療に関する学問)が、琉球における島ニンジンの初記載と考えられています。琉球には古くから「医食同源」という言葉があり、「食事は、生命を養い健康を保つだけでなく、病気を治す薬の役割を果たす」という、食生活に対する意識を示しています。その中でも「クスイムン」と呼ばれる薬膳料理があり、「チムシンジ」はその代表格です。豚レバーの煎じ汁と言い換えることもできる料理ですが、そのチムシンジの食材として欠かせないのがチデークニです。先人の知恵が生み出した食材の栄養をいただく薬膳として重宝されています。