Haneji Akaho
南城市玉城地区仲村渠で栽培されている赤米(羽地赤穂)は、タンニンを多く含み赤みを帯びた米粒が特徴です。世界恐慌と昭和初期の米騒動の後、当時日本の植民地だった台湾からいくつかの改良品種が輸入され、台湾の改良米が在来米より収穫量が多かったため、島全体に普及しました。仲村渠は天然の湧泉が豊富で盛んに稲作業が行われていましたが、戦後、大干ばつが続き、多くの農家がサトウキビ栽培を始めたため稲作農家は激減し、現在では一部地域で稲作が行われているのが現状です。2017年に仲村渠稲作会が結成され、種の復活と、その生産につながる歴史文化の再生・継承に取り組んでいます。
白米1 合に大さじスプーン1 杯の割合で混ぜ合わせ炊くときれいな薄紫色に炊き上がります。
言い伝えによると、琉球の稲作発祥の地は、昔から重要な信仰の場であった仲村渠の受水・走水(うきんじゅ・はいんじゅ)とされています。ここでは、旧暦の新年を祝う初午の日に行われる豊作祈願の儀礼「親田御願( うぇーだうがん)」が行われます。線香や、米、泡盛などを供えて地元の男性たちがひざの下まで水田につかって丁寧に稲を植え、豊作を祈ります。