Shima-uwa
改良品種の豚との交配が少なく、特徴的な黒い粗い毛と短く太い脚を持ちます。背中が少しへこんでおり、腹部が垂れていて、副蹄も地面に触れる形です。また、額にしわがあり、大きな耳が垂れる特徴的な姿をしています。これらの特徴は、古い在来の形質をよく保持していると言われています。肉の品質はとても良く、脂肪の溶けやすさやうま味の強さが特徴です。食感は弾力がありながらも硬くはありません。オレイン酸が豊富で、料理時に灰汁があまり出ないのも魅力的な特徴です。
明治以降に豚を取り入れた日本の食文化とは異なり、琉球の伝統的な食文化は豚に始まり豚に終わるといわれています。鳴き声以外全てを食べられるとも言われる琉球の豚は、宮廷料理から一般の行事食にわたる多様な形で琉球の食文化を支えています。
明治以降、生産性向上のためバークシャー種とシマウヮ(島豚)との交配が行われました。第二次世界大戦時の地上戦で、シマウヮのほとんどが失われました。その後、アメリカの占領下でアメリカ本土から収益性が高い改良品種が大量に持ち込まれたことでシマウヮは絶滅寸前に陥りました。今日においては、沖縄在来豚の形態・形質を維持するシマウヮは減少の一途をたどり、存続が危ぶまれています。(編集)このような状況の中、原種の形態・形質を守り育んでいる生産者もいます。